亜鉛めっきとは?
亜鉛めっきは、亜鉛の犠牲防食作用を利用して、電解溶液中で品物を陰極(-)として通電し、表面に亜鉛を析出させる処理です。
亜鉛めっきは、防錆力に優れ、比較的安価で良好な密着性を持った皮膜として、量産品から多種少量品まで加工可能です。亜鉛めっきの後処理では、最近まで、6価クロメート処理が主流でしたが、最近では環境規制対応のため、6価クロムを含有しない3価クロム化成処理(3価クロメート)が広く使用されるようになっています。
亜鉛めっきの優れた特性
1.亜鉛めっきの密着性
亜鉛めっきは、高価な金属の優れた特性を良好な密着性も持った皮膜として付与でき、塗装のように衝撃などで剥離する事がありません。
2.亜鉛めっきは耐食性に優れ、他のめっきよりも経済的
亜鉛めっきは、緻密な純亜鉛層の保護皮膜と電気化学的な犠牲防食作用により、使用条件によっては、長期間にわたり鉄鋼を錆から守ります。
3.亜鉛めっきは精度が必要なものでも加工が可能
亜鉛めっきは、めっき浴の物性によって異なりますが、処理による歪み、反りなどの製品が変形する心配がありません。
自動車部品や、通信機器、コンピューター部品等の精度の必要とされる部分にも比較的容易に防錆処理を行うことができます。
4.3価クロム化成皮膜処理(3価クロメート処理)
亜鉛めっき後、クロム酸を主成分とする混酸に浸漬する処理を、3価クロム化成皮膜処理(3価クロメート処理)といいます。
3価クロム化成皮膜処理(3価クロメート処理)には、防錆力を高め、耐食性の向上させ、外観を良くするといった効果があります。
主な用途
自動車部品、電気機器部品、機械組立部品、建築資材、etc
塩水噴霧試験
亜鉛めっき外観比較
3価クロム化成皮膜処理(3価クロメート)
黒色3価クロム化成皮膜処理(3価黒クロメート)
項目 |
3価 |
6価 |
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建浴濃度 |
6価の約10倍の濃度 |
3価の約10分の1の濃度 |
皮膜含水率 |
含水率が低いので熱に強い |
含水率が高いので熱に弱い |
熱を掛けた時のクラック |
クラックが入りにくい |
クラックが入りやすい |
乾燥温度(推奨) |
60℃~100℃ |
60℃以下 |
皮膜が耐えられる温度 |
100℃ |
60℃ |
耐食性(SST) |
72h白錆なしor 5%未満 |
72h白錆なしor 5%未満 |